完成度の高さで言えば、実はそれほどでもないのだけど、とにかく聴きやすい。レトロ感のあるエレクトロニカに少し転んだポップス満載。中でも、K.の声をいかしきったトラックと、キュートな胸キュン歌詞の「Green Fruits」は自分的最強曲。新譜のdisc 1と、ベスト盤的disc 2の2枚組というのもおトク感炸裂。

ボーカル無しの曲（私は基本的に苦手。）が多いのだけど、どれも1曲の中でどんどん曲が展開していくのが面白くて、聴ける。ベースがカッコ良い「Basscheck」と、どことなくストイックさのある「Lat It Roll」がとても好き。音数やBPMもかなり好みな1枚。ものすごく上手くつくられていると思う。

企画ものコンピなのだけど、とてもクオリティは高いと思う。美しいピアノ曲やワルツ、ネイチャー感溢れる楽曲、ドラムンベースが絶妙のバランスで配されている。そしてどの曲にも漂うサウダージにROOMの歴史を垣間見る。沖野修也さん、グッジョブ！ 「TALK (JAZZTRONIK MIX)」と「ANGER」は、一時期、これしか聴かなかったほどお気に入り。

TICA本人に「今まで作ってきたものは今作のための習作」と言わしめたほど、TICAテイスト結実の1枚。体温低めながらも情感豊かな武田カオリのボーカルは日本国宝。彼女の声を完璧に理解し、それをいかしつつ最終的には頼るという形で、今までより踏み込んだサウンドメイクをした石井マサユキの力量にも拍手。リズムを刻む音が心地良い「don't cry sista」は本当によく聴いた。就寝前のひとときにベストマッチ。

とにかく「Etude」のリズム隊やボーカルの切り方が好きで、これは本当に何度も何度も聴いた。ダンスクラシック的な「Twilight」も気が付けば聴いていたなぁ。ライブで観たことで自分の中での評価が一気に上がった「Duet」は、改めて聴いてみて上手くつくってあるなぁと感心。カフェの店長やってたら、そのカフェでヘビーローテでかけるであろうオシャレさにも満ちた1枚。

微妙な派手さがちょうど良くて、お仕事中のBGMとして終日聴いていることが多かった。正直、テーマになった「トラベル感」は私にはあまり伝わってこなかったのだけど、選曲は素晴らしいと思う。飛ばし気味なバックの音に意外と正統派なボーカルが乗った「Light」、リズム隊が好みな「Futuristica」が好き。

2003年前半、たぶん1番聴いていたアルバム。ジャンル分けするのが困難な、いろいろ詰まっている1枚。きちんと作ってありつつ、おバカ感やキュートさを忍ばせたハッピーマジックのかかった曲がたくさん。2stepな流れの7曲目「Space Randez-vous」〜8曲目「Better Sound for Better Kindness」は相当聴いた記憶が。今でも、自分にしあわせ暗示をかけたいときに登板させて活用。ボーナストラックのリミックス2曲も良く出来てる。

2stepを含んでいるのだけど、だから好きだというわけではなくて、前作からのMJ Coleの著しい成長が嬉しかった良盤。一方で、ピアノやシンセの音を綺麗に使ってくる彼の特徴もキープされていることに安堵。上品ながらもストリートな香りのする「Ghetto Queen」、緊張感漂う「Perfect Pitch」が印象的。「Take Flight」「Ruff Like Me」は、MJ Coleがこういうトラックを作ったことにびっくりした。

やっぱり須永さん、上手い。捨て曲無し。はずさない。安定してる。そもそも1曲目「music console」から2曲目「And It Goes Round And Round」へのもっていきかたからして上手過ぎる。「Strobe/Fruit」では、このボーカルのバックにピアノがおかれたことが新鮮で凄くよく聴いた。気持ち良く踊れそうな「You'll Never Dance Alone」は一時期ハマった1曲。

トラック自体も優れていると思うのだけど、UAの唯一無二なボーカルと歌詞が乗っていることによって永久不変の色を持った曲たちが集まった、まさにベスト盤。常に身近にいたアーティストだったこともあって、それぞれの曲に当時の思い出が満載。「太陽手に月は心の両手に」「リズム」「ミルクティー」「スカートの砂」は、今聴いても全然素敵。たぶんずっと聴いていく。