65Record
いろいろあったようで、そうでもなかった。そんな1年。

3年前のか！と言いたいのはわかる…が、まあ聞いてほしい。俺はジャネルの2ndをヨーカドーで買ったんだが、なかなかいいアルバムじゃねえか！と、気に入ってこの1st…『The ArchAndroid』を注文したのがそもそもの間違いだったのかもしれねえ。ダム！こいつは普通のレコードじゃなかったんだ！オーケストラから始まる一連の連曲…そう、"Locked Inside"が終わる頃には俺はすっかり魅了されちまってたんだが、本当の驚きはこのあとにやってきた。あの夢見心地なインターバル"Sir Greendown"のあと、最高にポップでロックでソウルでエンターテイメントな"Cold War"、"Tight Rope"と続いたとき俺は思わず叫んじまったものさ、「こいつは一体どんなクソなんだ！？」ってね。その瞬間…ジャネルの2ndどころか、なんだか他のアルバムすら霞んじまった気がしたんだ。こんな衝撃は傑作ワイド劇場で坂口良子のおっぱいにホクロがあるのを見た時以来だったよ。まぁ今思うとあれは代役だったんだろうけどな。まったく、冗談じゃねえ。

モジョのラジオショウを思い出す最高にギャラクティック・ファンキー・シット！な1枚だ。まぁ実を言うと俺はモジョのラジオショウなんか聴いたことがないんだが、こいつは擦り切れるほど聴いたね。ああ勿論今年作の一番はこいつだ。他に何があるって言うんだい？

Jon Hopkins…こいつはジーニアスだね。こんなメロディを書ける王立音楽学校出のピアニストがテクノを作るなんて反則みたいなもんだろ？しかし、それでいい作品が出来るのかと言うと、そうとは限らないのが音楽の面白い所でもある。だがこいつは軽々とやってのけたんだ！最近リリースされた映画『How I Live Now』のサントラを聴いたか？2つ合わせると年間ベストでもいいかもしれねえな…まさに「天才」ってやつさ…。

インパクト、大。

柔らかい中にも刺激があるこの心地よさよ。Electronique.it Podcast 200 - Romaも素晴らしかったし、やっぱりDonato Dozzyは今年も凄かった。

これ超名作。コメントはたぶん寝たきりすずめさんが書いてくれるでしょう。

ジュークのあのボーンボーンっていう聞き慣れた808の音は物足りないなんて思った事もあったんですが、ここまで強調されるとなんだか気持ちよくなってきたぞ！な1枚。ジュークの良さに気づかせてくれたという点でもありがたい作品。

今年のインディR&Bは男性ものの方が心躍るものが多かった。気がする。そんな中で印象に残ったのはやはりこの作品。James BlakeなりThe XXなりが示したダブステップ以降のR&B的な音を、もっとも洗練された形で、そして軽やかに自らのものにしてみせた彼らが提示したもの…それは厳かな日本庭園にスコンと鳴り響く鹿威しの如き、Wabi-Sabiの世界だったのです！

メランコリックで綺麗なテック・ハウス。とスタイルは変わっていないのだけれど、ときに悲痛な佇まいすら漂うこの作品に、私はなんだか胸を締め付けられる様な感情を抱いてしまう。とても真摯なアルバムだ。

ファン。