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カッコつけはなるべく廃して、正直に、自分だけの秘宝感高めで。

高校3年生になるかならないか位の94年年明け、
放送室に持ち込まれたXLの4枚目のコンピレーション冒頭の"rez"では
田舎の放送委員長と放送委員の心はピクリともしなかったが、
信じられないほど横長のインサートと鬱陶しいタイポにつつまれ、
しばらく後に持ち込まれたこのアルバムは
その後20年弱にわたって、その場にいた全員の心に残るものとなった。
委員長(モチロン私です)は今でも全曲歌えます。
あと、ライセンス盤はダサい！と初めてフェティッシュ感が盤に生まれたのもこれです。

自分が考える限りもっとも早くからリリースされていた、
今でいう"ディスコダブ"コンピレーションの始祖。loftコンピより3年早い。
とにかく何処のレコファンに行こうとも見かけないことはなく、
2枚組の内2枚目を目当てに買うヤングは山ほどいて(推測)中古が安定的にあったのが出会い…だろうネ。
年が経てば経つほど先見の明というより収録曲の解釈が世間で変わるのを追えた気が。
el coco/cocomotion'79なんてその最たるものですね。

夜友達から電話がきた「いまテレビ見てたんだけど日本語ラップ特集して
て、ランプアイとブッダブランドすごい良かったよ。」「…ふーん」
「買ってみてよ」「僕がかい！？」翌日どっちも新星堂に買いに行った。
証言(CD)が売り切れてて、下克上とこのCDは面出ししてたのにビックリした記憶があり、
それから今日まで何回か買いなおしてる…はず。
未だに悔やんでいるのはこの番組名を聞かなかった事だ。

土曜の午後親戚の車に乗せられて盛岡に行く道すがらのカーステで、
コスモポップスベストテンの第10位に入っていた"regret"を聞くまで
遠い存在だった。今思えばよくランクインしたねぇ(感慨)。
サブスタンス(レンタルで借りれる中で一番曲数が多い)のくぐもった音質からは伝わらなかった全てが、
このベストアルバムにはある。
(トゥルーフェイス'94のイントロのキックでラジカセの5本EQが全て9割立ち上がる)
理想的なマスタリングは今もこのアルバムを基準としている。

どれだけこのアルバムに思い入れがあろうとも、伝わらない気がする。
今…今ありったけの装飾をしてあげるとしたら
「ドラムレスの"ロックバンド"がディスコからの影響を隠さずにロック
するため、結果としてオブスキュアなポップスだった原曲のアレンジを
微妙(マジ微妙！)に変えたが為に、振り子として機能してしまった(ほん
の時々しか"デジタルビート"のことを思い出さなくなった)置いて行かれ
たミニアルバム」

なぜか今鮮明に印象に残っているアルバム。どうしてかは全然説明がつかない。
表裏一体とはいえ去年出たアルバムと言っても通用しそうな重量感…よりは終わりそう感？
何かが終わりそうで悲しいという事が楽曲だけでなくアンサンブルから伝わってくるのは
これと「DRAGON」が元祖かも。
なんてことは今思ってることで、当時はドラムがカッコイイなー位のものでした

外に出たいと思うほど冷房を聞かせた日の当たらない部屋で、
もう何度目か分からない位の2度寝とセックスとこのアルバム。

アレンジ、というよりはここ(と「ミンク・ホロウの世捨て人」)でしか聞けない沢山の音色。
確かクレジットに堂々と「ボーカル」「ギター」「マッキントッシュ」と書かれており、
このマッキントッシュというものを使えば他の事はできるのかなと中学生なりの結論に達した。
M11-大切な「物」のキーボードは今聴いてもメチャメチャグッときますね。

高校の同級生達が卒業＆上京後時々家に集まって自作の曲を披露していていた。
穴沢の曲は95、6年はジャングル(ドラムンベースでなく)が多く、僕は激チープ＆プアな機材＆音質で、
もう一人(現スペースピッチ)はなかなか曲そのものを作らなかった。
97年、穴沢は信じられない程センチな4つ打ちを多量に作成し
「俺の事を受け止めてくれるのはフロッグマンだけだ」とフロッグマンにのみデモを送ったけど、
まさかあっさりリリースされ、その後自分が続くとはこの時誰も思っていなかった。

リリース後すぐに買えたのはきっとクロスオーバーイレブンで他の曲を聞いたことがあったから。
それから20年近く、いつでも手に取れる場所にある。