One Way To The Heaven / Twitter
一音楽ファンです。

１曲目「River of Orchids」。イントロの水滴の響きがストリングスのピチカートに受け継がれていくのを聴いたときに早くも心震えた。彼らの新作に接する時はもうこないのだろうか。

長いブランクの後に出たアルバムだけど、ロマンティックな感触が失われていなかったのがとにかくうれしかった。ウェンディ・スミスが参加した最後のアルバムということも含めて忘れがたい作品。

「Rubber Soul」や「Pet Sounds」が好きな人にぜひ聴いて欲しい名盤。人が青春時代から抜け出し、大人になる直前のイノセンスやフラジャリティがひしひしと感じられる。こういう作品はこの時期にしかつくれないだろう。

時に鋭く、時に甘美に。実験性とポップさのバランスが絶妙なコラボレーション・アルバム。

ソロになってここまで化けるとは思わなかった。このアルバムに至って、ついにワン・アンド・オンリーの存在になったと思う。

ブライアンが力強く歌っている。それだけで感無量になった。ヴァン・ダイクによる楽曲も粒揃い。

９０年代前半の彼らの勢いはすごかった。このアルバムにはポップスのマジックがぎゅっとつまっている。

このアルバムを「今後２０年は聴き続けられる」と絶賛したのがエルヴィス・コステロ。きっと３０年経っても聴いていると思う。

９０年代は地方を転々としていたから、あまりライヴには行けなかったのだけど、この人のライヴを聴けたのは幸せだった。ジョン・レノンも、ブライアン・フェリーも、プリンスもジミー流のソウル・ミュージックとして生まれ変わる。

ロバート・ワイアットがヴォーカルの曲も含めて、味わいのある楽曲が並ぶ。地味だけど忘れられない名盤。