寝たきりすずめ情報 / twitter
年に1度くらい更新するエレクトロニカ系ブロガーっぽい人

完成された世界観、静と動の揺らぎ・・・とりわけ静謐さは
畏敬の念を感じるほど。ジャズ・トリオながら、ジャズ要素が
余りないため、綺麗な音が好きな方なら楽しめるはず。
こぼれ落ちる高音の煌きと、品位の高さを感じるインテリジェンス。

作り込み過ぎて作品が重すぎたMerck時代から、
未成熟な音楽に影響を受けて、程よく肩の力が抜けた感のある
トラックがとても魅力的。情報の多いビート＋声ネタサンプルなんて
彼の右に出る者はいないのでは。疾走感が堪らない。

古き良きIDMスタイルのエレクトロニカ。音の新しさはすでに
無くなり、逆に懐かしく感じて新鮮に聴こえる。
跳ねて不規則に、そして適度に突き刺すリズム。そこに
躁的に楽しく弾けるメロディ・・・やっぱこれだ！

ベストが固まる最後に滑り込んできた重鎮は10年ぶりの2nd。
地味なアブストラクト風IDMだった1stに比べ、繊細で緻密に
妥協のない音作りから展開まで、暗くドローン気味なシンセを
背後に、細かく配置されたビートが入り乱れる。半端なく格好良い。

自分の精神状態や聴いてる環境で、驚くほど心に響く音楽がある。
それは感覚的なものなので、他の人と共有出来る事は少ないけれど、
自分にとっては大切な一枚になったりする。それがこのアルバム。
やたらと琴線に触れるメロディと音触り。

どストレートなロック、という言い方があるように、これは
どストレートなポストロック。流麗なギターのアルペジオや
轟音のリフ、ロールしまくりで力強いドラム、緩急の使い分けと、
ストイックなまでに突き詰めた結果だと思う。夢心地な音像。

生楽器を使っていてもエレクトロニクスな打ち込みに感じる、
完全に電子世界の人たち。久々のアルバムで、相変わらず丹念な
作りこみながら、ちょっと物足りなさも感じる。大御所だから
無いものねだり的な。ライブが満点なので、アルバムは少し残念。

メロディ系エレクトロニカ・アーティストがアンビエントに。
にも関わらず、過度に反響／フィードバックさせる事なく、
音色やメロディといった本質で真っ向から挑んだ作品。シンプルに
音を使いつつ、時間で変化させ聴かせる13分の曲が素晴らしい。

ロック的な力強いビート、蠢くベース、メインフレーズでは
分かりやすく、繋ぎ部分で縦横無尽に巡るピアノのジャズ・トリオ。
各トラックともキャッチーなメロディで導入、中盤は各パートの
技巧が楽しめる。惜しむべくは稀に入る電子音の音色の古さ。

完璧に個人的な趣味になる一枚。万人受けと真逆に位置する。
前作ほどジメジメした暗さもなく、だからといって暖かかったり
明るかったりもしない。妙に癖になるアクの強いボーカルに隠れて
トラックの作りは職人レベル。スルメすぎる。ジャケも最高の酷さ。